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漆便り
輪島市景観重要建造物・輪島市景観重要樹木に指定されました
「慶塚家住宅(主屋、土蔵、門塀)」
住宅は、前部を住まいとし、敷地の奥に漆器生産の作業場(土蔵)を配置する「住前職後(じゅうぜんしょくご)」と呼ばれる家屋配置となっている。これは漆器生産の現場では塵や埃を嫌い、可能な限りこれらを排除し、気温や湿度が安定した土蔵で作業を行うためである。
建築年代が比較的新しいものの、塗師屋の家屋配置を踏襲しており、広い前庭を持つ点で、市街縁辺部における当時の宅地状況を示している。
当地における輪島塗の塗師屋の建築様式をよく残すものとして評価の高い建物である。
「慶塚家住宅の松」
昭和4年(1929)に輪島測候所が皆月から移設され、当家は同10年(1935)に鳳至町上町から同町郊外に移転、漆器製作の工房兼自宅を構えた。この時、作庭と共に記念として輪島測候所へ松が寄贈された。輪島測候所は同61年(1986)に輪島地方合同庁舎として建替えられ、その際に松は当家に戻されたものの、現在も樹勢よく、他の樹木とともに同工房の前庭を彩っている。当家住宅の松は、当地の気象観測の歴史を見続けてきたもので、同家のシンボルとなっている。
平成16年に制定された景観法に基づき、評価をしていただきました。